90年代ファッションが大ブームの現在、各ブランドから当時のカラーリング、サイズ感、プリントなどがこぞって販売されていますよね。特に、3年前までは見向きもされなかった、トミージーンズや、フィラなども今では大人気です。
なんとなく垢抜けない感じがおしゃれでかっこいい、かわいいという感覚なんだと思います。
そして、今回ご紹介したいのは、90年代ブームによって、古着屋のなんでもないレギュラーアイテムが爆発的に売れているという事です。
古着を着ているだけでかわいい、おしゃれという風潮があり、インスタなどのSNSでの拡散力もあり、誰もが気軽に古着屋に行くようになりました。
目次
僕ら世代の古着の価値
僕ら世代(30代)の古着屋と言えば、レギュラーなんてのはほとんど見向きもされなかったものです。当時は、ビンテージ至上主義であり、それを裏付けるディテールやブランドネームが優先され、デザインは二の次という方も多くいました。Tシャツは、染み込みプリントやフロッキーじゃなきゃダメ、スウェットなんかも首元のタグをよく見たものです。
また、店員さんとどれだけ仲良くなれるかで古着屋の居心地が変わるんですよね。(笑)
ビンテージは枯渇状態
もともと、数に限りがあるビンテージですが、今や本国アメリカよりも日本の方がビンテージを多く所有していると言われるくらい日本のバイヤーが買い占めている状態です。
そんな狭いマーケットは、これからの古着屋として追いかけるのも難しく、各社古着屋の解釈を広げ、様々な提案がなされているわけです。
90年代ブームはハイリスクハイリターン
先にも書いた通り、ビンテージは年を増すごとに枯渇していきます。つまり、年々価値が上がりますので、在庫を持つうえでリスクは少ないと言えます。ビンテージは一定以上のコレクターは必ず存在しますので。
逆に、トレンドに乗っかった、なんでもないレギュラーアイテムの客層は、つい何年か前までは古着屋に入ったこともない人を相手にする商売です。つまり、このトレンドが終了するとともにお店も終了する可能性があります。トレンドが去ったアイテムは100円にしても売れません。
レギュラーアイテムの古着の原価
レギュラーアイテムの古着の原価知ってますか?インスタを見ていると、古着男子や古着女子というハッシュタグとともに、兎に角大きいサイズのスウェットやTシャツを着ている投稿が多く見受けられます。これを否定するつもりはありませんが、一つの知識としてそのものの価値を知って頂きたいです。
ほとんど1円程度
残念ながら、レギュラーメインで営業している大衆向けの古着屋で売っている、5000円以下の物は、ほぼ原価1円です。正確に言うと、1セントなので、現在の為替でいうと1.1円程度です。もちろん、ここでいう原価はその商品自体の購入金額であり、ここに買い付けの経費が上乗せされるので店頭に並んだ時点での原価はお店によってそれぞれです。
なぜそんなに安いのか
基本的に古着の買い付けは、フリーマーケットやリサイクルショップ、スリフトなどを回って買い付けます。
フリマや、リサイクルショップは想像できると思いますが、スリフトはあまり馴染みがないと思います。
スリフトというのは、慈善により寄付されたものを安価で販売し、この売り上げを慈善団体に寄付したり、役立てたりするための場所です。
ここで1セントで買い付けられたものが、日本で1000円~5000円で売られるわけです。ぼろ儲けですよね。
古着の定義が曖昧になっている
いらないから、捨てるくらいならスリフトに寄付しよう。この程度の洋服が日本にきて、古着だからかわいいという理由で3000円とかでも売れているのが現状です。生地も縫製も良くない、ただ古ぼけているだけで”古着”という名の元ガンガン売れています。
これなら、他にもっと安くて良い服は沢山あるのに。
まとめ
個人的な意見になりますが、古着というだけで付加価値を付けるのはやめるべきです。これは消費者側が判断するしかありません。店側としては、ビジネスなのでなんも悪いことはしていません。
ファッションの楽しみ方は人それぞれですが、寄付されたものを1円で仕入れ、それを1000円~5000円で買うというのも馬鹿らしくないですか?
少しでも参考になればと思います!