スーツ初心者が銀座でフルオーダースーツを作ってみたシリーズ第2弾!この第2弾ではフルオーダーでは欠かせない、仮縫いについて触れていきたいと思います。
この仮縫いの工程ですが、間違いなくフルオーダースーツの真骨頂ですし、テーラーの技術、知識の差が表れる工程だと感じました。
今回この記事では、
・そもそも仮縫いとは?
・仮縫いの必要性
・仮縫いすればかっこいいスーツが出来る?
この辺りについて感じたことを纏めていきたいと思います!
この記事はシリーズ化してますので、是非第1弾から読んでください!
目次
そもそも仮縫いとは?
そもそも仮縫いの意味合いや必要性があまりわからない人もいると思います。正直私もそうでした。
仮縫いとは、本縫いの前に打ち合わせた内容、採寸したフィッティングを仮で縫って形にする工程です。
サイズ調整なら仕上がった後でも出来るんじゃないの?って思っていました。
しかし、仮縫いとはテーラーと自分との間で話した、打ち合わせの内容を形にして意思疎通をする工程なんです。
つまり、自分が伝えたかった事やテーラーが提案してくれたことを形にして確認する工程なんですね。この工程が無くいきなり本縫いだと、イメージと全く違うものが出来上がる場合があります。
大事なのはバランス
仮縫いは、スーツのフィッティングを確かめる工程だと思っていました。しかし、仮縫いの本当の意味は、打ち合わせの内容(イメージ)をその人に合ったディテールに昇華させることです。
例えば雑誌に、ラペル幅は12cmがかっこいい!なんて記事があったとします。それを見た人が12cmのラペル幅でオーダーした場合、仮縫いが無いとそのまま12cmのラペルで仕上がってきます。肩幅の狭いガリガリな人も、ラグビー選手みたいながっちり体系の人も。
全員が同じディテールを同じバランスで着れるわけないですよね。
でも雑誌やSNS、ショップのブログなどでは平気でそういう情報を発信しています。ショップが売りたいもの、提案したいものがあるので仕方ないのですが。
こういった、企業やメディアのフィルターが通った情報があふれる時代だからこそ、自分で精査する必要があります。
仮縫いの必要性
仮縫いの必要性は先ほど書いた通りなんですが、具体的にどういう事なのか私を例に取って説明します。
ジャケット
私は、細身体系なのでジャケットがストンと落ちると、薄っぺらくなり立体的になりません。
ジャケットをかっこよく着るには、背中から腰に掛けてのきれいなラインが必要になります。
背中と腰の間を1cmだけ詰める事にしました。そうすることにより、写真ではわかりづらいですが、腰上がシェイプしキレイなラインが出来ました。もちろん正面のラインは変わりません。
その他細かい部分の修正と、バランスを見てラペル幅やラインを決めます。
非常に細かい作業なので緊張してます。(笑)
スラックス(パンツ)
股上深めのベルトレスで非常にかっこいい仕上がりです。素人目に見ると修正する所は無さそうですが、やはりわずか1cm程度ですが修正が必要のようです。
めっちゃ雑なイラストですいません。(笑)
仮縫いで仕上がってきたパンツはAの様な形でした。全体的に細身なシルエットで、これはこれでかっこよかったのですが、Bのような形に修正しました。腿幅を太くするために、少しヒップの位置を高くするように修正しています。この絵じゃ全然伝わらないですね(笑)
黒い矢印の部分を1cm詰めて、赤い矢印の部分に余裕を持たせます。これにより、お尻からストンと落ち、足が長くきれいに見えるそうです。
仮縫いすればかっこいいスーツが出来る?
仮縫いすれば、本縫いの前にイメージを作ることが出来るので、パターンオーダーなどに比べれば確実に良い物が仕上がると思います。しかし、その良い物とはテーラーの知識と経験によって大分変わってくると思います。
今回、スーツを作るにあたって色々なテーラーを調べましたが、採寸技術を推しているテーラー、リーズナブルさを推しているテーラーなど様々でした。
しかし、確実なかっこよさを追求しているのはMICHELE&shinしかありませんでした。
MICHELE&shinではサイズピッタリ!ではなく、体系を活かしてかっこよく魅せるスーツを提案してくれます。初心者の私としては非常に助かりました。
【 番外編】フルハンドメイドのオーダーコート
完全に番外編ですが、仮縫いの時間が少し余ったので以前から気になっていたオーダーコートを試着させて頂きました。
普段私は、ある程度ゆとりのあるオーバーコートを着ていますので体に合ったきれいなコートとは疎遠でした。
しかし、クラシック回帰の昨今において、1着こんなコートが欲しかったのです。
めちゃくちゃかっこよくないですか?
実際このクオリティで探そうとすると、20万越えは当たり前なんでなかなか手が出ず。
でも流行り廃りのない普遍的なアイテムだから欲しいな~と思っていたら出会ったのがMICHELE&shinのオーダーコート。
もちろんスーツと同じくイタリアでフルハンドメイド。もちろん仮縫い有りです。生地も選べて形も自由だから迷っちゃいますよね。
こちらはベルトタイプ。ヨーロッパでは主流らしく、日本にも徐々に流れてくるスタイルだそうです。
生地はヘリンボーンツイル。ベルトを巻いた時のバランスがかっこいい。そしてこのラペルの感じって意外と無いんですよ。一見シンプルですが、オーナーの拘りが詰ってますね。
オーダーだからこんな生地でも出来ちゃいます。ポケットの形もかっこいいですね。ポストマンポケットというポケットみたいです。こんなかっこいいコート街中で見かけたら二度見どころか三度見くらいしちゃいますよね。
大きめのチェックは、カジュアルにもスーツスタイルにも使いやすくておすすめです。この色合いなら子供っぽくならないので新社会人や新成人の方にも良いですね。長く着られるスタイルだと思います。
コートのオーダーはトータルで4カ月みて頂ければ完成するそうです。なので8月のオーダーが一番多いみたいですね。
このクオリティーで140,000円+税だからめちゃくちゃ安いです。沢山洋服を見てきたから断言できますが、この品質と手間、自由度の高さでこの値段はあり得ないです。価格破壊です。
スーツ初心者が銀座でフルオーダースーツを作ってみたのまとめ
打ち合わせから、仮縫いまでの期間はちょうど1ヵ月くらいでした。本来でしたら1カ月半程度かかるそうです。たまたま、松本さんがイタリアに出張があったそうで、タイミングよく持って帰ってきてくれたので1ヵ月の期間で済みました。
実際、日本にいながらイタリアで縫ったスーツがこの期間で届くってすごいですよね。手縫いですよ!?私の手なら1年経っても仕上がりません。
次回は、いよいよ完成です!2ヵ月~2ヵ月半かかるそうですが、完成次第記事を更新しますので是非チェックしてください~!