ついにこの日が来てしまった。
ZOZOTOWNの神サービス、ZOZOARIGATOが本日をもって終了しました。
ツイッターなどでも、ZOZOARIGATOヘビーユーザーから悲痛の声が散見されていますが、なぜこのタイミングだったのか、そしてなぜ5カ月程度で終わってしまったのか。
また、ZOZOARIGATO終了に合わせて、ZOZOTOWNの新サービスも発表されましたので合わせて紹介していきたいと思います。
目次
なぜZOZOARIGATOは終わってしまったのか
そもそもZOZOARIGATOとは、月額500円もしくは、年間3000円の有料会員制度で、ZOZOTOWNでのお買い物が常に10%の割引が受けられるサービスです。また、ZOZOARIGATOの驚異的な部分は、入会初月1ヵ月間は、全品30%offとあり得ないほどの割引が受けられる神サービスでした。
もちろん割引分の金額はショップではなく、ZOZOTOWNが負担するのでショップには一切負担がありませんでした。
一見、ショップとユーザーがWINWINの関係にあるように見えますが、ZOZOTOWN側とショップ側で大きな溝がありました。
ブランドのZOZO離れ
これは、ZOZOARIGATOのサービスが開始早々に起きたことですが、ブランド側からのZOZOTOWN撤退が多く見受けられました。
それはブランドイメージの棄損に当たるからです。割引分の金額はブランド側に負担がないものの、実際購入する顧客はそのブランドの服を常に10~30%offで購入できてしまうという事実があります。
つまり、ZOZOTOWNに出品している以上、自社の商品は定価より10~30%価値が下がるということです。
これにより、ブランドのイメージが棄損され、市場価値が下がってしまうという現象が起きてしまいました。
自社ECサイトとの価格差によるブランド側の猛反発
ZOZOTOWNに出店しているブランドは、自社ECサイトも併用しているパターンが多いです。イメージとしては、ZOZOTOTOWNは大きなショッピングモールにあたり、そこに出店している感じです。自社ECサイトは路面店に近いイメージです。
同じものがZOZOTOWNでは10~30%off、ブランドのオリジナルサイトでは定価だったらどっちで買いますか?
これにより、すべてZOZOTOWNに顧客が集約されるシステムが出来上がり、自社ECサイトの衰弱化が起きてしまいました。もちろん実店舗も試着するだけの展示会化してしまう恐れもあります。
ZOZOスーツも終了予定
ZOZOといえばZOZOスーツですが、ZOZOスーツも終了予定です。これはプライベート事業の縮小の一環で、新しいことをし過ぎたことによるサービスの分散を集結させる狙いもあるように思えます。
試着嫌いによる効率の悪さが敗因
「9割の人は試着をするが、6割の人が試着嫌い」と前澤社長が四半期決算報告会でアンケート結果を発表しました。
これは、当初サイズがSMLなどの少ないレンジしかない既製品に対して不満を持っているユーザーに向けて開発した、お手軽オーダーメイド「ZOZOスーツ」についての事ですが、興味を持ってZOZOスーツ(0円)自体は注文が多く入ったが、実際の利用自体はかなり低かったという。なぜなら、服のサイズを必ず着なければ測れないという試着嫌いの部分を解決出来なかったのが大きな要因だと思います。
試着もしなくていい、サイズもぴったりという両軸を解決しないとならないという事です。
ZOZOTOWNの新サービスとは?
先ほど紹介した、ZOZOARIGATOの終了、PBの縮小の2点において新サービスがすでに発表されています。
新PBをアパレルブランドと協働で作る
今秋にもスタートをすると言われていますが、ZOZOTOWNが各アパレルブランドと協働でマルチサイズ商品をつくり、ZOZOTOWN上で販売すると発表しました。
これにより、ZOZOスーツのように手間がかかる動作もなく、複数のサイズから選べるような洋服を作ることが伺えます。
また、アーバンリサーチ、ベイクルーズ、ビームス、リーバイスなどの名だたるブランドがこのサービスに興味を持っており、今秋に向けてこれらのブランドとのマルチサイズ商品の展開が期待できます。
ZOZOクレジットカードのサービス一新
5月30日のZOZOARIGATOサービス終了と同時に、ZOZOカードのサービスを一新します。現在、ZOZOTOWNでの購入に対して2%のポイント還元がありますが、これを5%に引き上げます。また、ZOZOTOWN以外の買い物でも1%の還元を行います。
その他にもZOZOカードのサービスを拡充する予定とありますのでわかり次第追記します。
なんとなくですが、楽天カードと楽天市場の関係に似ており、今後は期間限定ポイントなどもあるような気がします。
ZOZOTOWNの原点回帰
昨年夏に株価最高額を出し、新サービスを多数発表したZOZOTOWNですが、それが裏目に出てユーザーとブランド側の混乱を収束できませんでした。斬新なZOZOスーツも話題だけにとどまり、ZOZOARIGATOもブランドの意向を無視した価格訴求の売り方になってしまいました。
今回の決算発表で、ZOZOは原点回帰を意識しているように思えました。ブランドの価値を損なわず商品やサービスで勝負する、ユーザー目線でニーズを汲み取るPB戦略など、攻める姿勢を保ちつつユーザーとブランドを置いてけぼりにしない政策と思います。
今後のZOZOTOWNには益々期待できると思います。